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治験開始(3)

6/16 NK105投薬開始。
開始日は、夜には水下痢となり、翌日は軽いのぼせ感があったが
それほどひどい副作用は感じていなかった様に思う。

退院後、徐々に手足、特に足のつま先のしびれを感じ、
このしびれ感は次の投薬まで消えることは無く
投薬の回を重ねる毎に、しびれは痛みへと変わっていった。
革靴を履くのが辛く、先の細い靴は履けなくなった。

初回投薬後から、シャンプーの度に髪が大量に抜け
朝起きると、枕に沢山の髪の毛が抜けおちていた。
その徐々に抜けていくことに、かなりのストレスを感じていたらしく
投薬2回目終了後、シャンプー時にごっそり抜けた髪の毛を見た途端
お風呂場から大声で私を呼び

「もうダメだ。刈ってくれ」

と、電動ヒゲ剃りを渡された。
まだ、少し薄くなってきたかなという程度だった為
そのことを伝えたが

「手にごっそり抜けてくるのがもうイヤなんだ。」

その必死な様子が、辛かった。
洗面所で、初めて夫の髪を刈った。
最初は、5分刈り位に刈っていたが
徐々にまだらになり、
その髪が抜けてチクチクする感じが堪らなかったらしく
最後には、剃りあげて丸坊主になった。

5分刈りの頃、私にはうまく出来ない為に
何度か床屋さんに行った。

「こんなちょっと刈るだけで○千円もかかったよ。
 ヘンな顔されたから、自分から
 抗がん剤で抜けたって言ったんだ」

これもストレスだったらしく
バリカンを購入して、私が刈る様になった。

夏は直射日光が辛く、冬は寒かった。
帽子が必需品となったが

「仕事中に、スーツ姿では被れないよ」

と、よく言っていた。

丸坊主にしたばかりの頃
夫と息子と3人で外出した時
夫が少し離れて歩いていることに気付いた。
どうしたのか聞くと

「だって、イヤだろ。」

と返ってきた。
なんだか泣きたくなった。
3人、並んで歩いた。
息子は夫と手を繋ぎ
私は夫と腕を組んだ。

刈りたての頭は、まだ青白く
すれ違う人々の視線が、ジロジロと頭に集り
避けて行くのがわかった。

毎日、1人、通勤電車や歩きで
どんな想いでいたのだろうかと思った。
ただ無性に、悔しかった。


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テーマ : 家族日記 - ジャンル : 日記

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コメント

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Re:

匿名希望さま

コメント、ありがとうございます。

夫だけでは無く、全く知らない方であっても
「がん」で亡くなられたと聞くだけで
その方の、闘病や想い・願い、ご家族を思い、
悔しさや虚しさに囚われます。
きっと、「がん」で亡くされた方だけでなく
遺されたものは皆、同じ想いなのですよね。

匿名さまのご夫妻もまた
いくつものコメントを通して
優しい、愛情に満ちた、強い絆で結ばれていらしたと
いつも感じています。
ご主人様を想像する時、今では「あの格好」が浮かんでしまいます。

私は、まだ命日を迎えてはいないのですが
今日、初めて、理解した様に思います。
そうですね、きっとその日は一日中、
あの日の時間を追ってしまう。
考えずにはいられないだろうと思いました。
私もまた、辛く、苦しい日になりそうです。

匿名さまに、穏やかな眠りが訪れています様に。
ありがとうございました。

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